厚生労働省の有識者検討会は26日、今夏に閣議決定する新たな自殺総合対策大綱に関する報告書を取りまとめた。人口10万人当たりの自殺者数(自殺死亡率)を今後10年間で30%以上減少させるとの目標を明記。「産後うつ」などを原因とする妊産婦の自殺対策強化を掲げたほか、長時間労働の是正などによる過労自殺対策や、学校や行政の連携による若者の自殺対策推進も打ち出した。

 年間の自殺者数は2012年に3万人を切り、16年は2万1897人だった。減少傾向にあるものの、報告書は「非常事態がいまだ続いており、楽観できない」と指摘。個人への相談支援や、各地域での関係機関の連携、精神保健医療福祉分野の施策との連携が一層求められる。

 報告書は、自殺死亡率について、26年までに15年(18・5人)より30%以上減少させるよう提言。米国は14年に13・4人、英国は13年に7・5人だったことを踏まえ、26年までに13・0人以下とするよう求めている。

 また、妊産婦の自殺死亡率を「健診などで定期的に医療機関を受診する機会が多いのに、一般女性の自殺死亡率の3分の2に及ぶと報告されている」と分析。(1)産後うつ症状の早期発見(2)乳幼児健診を通じた育児の悩みを抱える母親支援-など、関連する施策との連携の必要性を指摘した。

 一方、昨年は電通の新入社員の過労自殺が表面化。勤務問題を原因とする自殺は依然として深刻な状況にある。報告書はこの点を踏まえ、長時間労働是正に向けた取り組み強化と、パワハラ防止、職場でのメンタルヘルス対策の促進を求めた。

 さらに若者世代の自殺対策を引き続き重要な課題とした。【共同】

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