■出席者急減の企業も

 株主総会で菓子や自社製品など出席者へのお土産を廃止する上場企業が増えている。欠席する株主との不公平感に加え、お土産目当ての出席者もいて、経営を議論する本来の目的にそぐわない面も出ているためだ。だが、廃止で出席者が急減した例もあり、企業側の模索が続きそうだ。

 三菱UFJ信託銀行によると、今月開催の株主総会の招集通知で「お土産の配布は予定していない」と記載した企業は23日時点で前年比68社増の263社だった。全国株懇連合会が昨年10月にまとめたアンケートでは、お土産を配る企業は前年調査と比べ、3・2ポイント減の74・6%だった。

 今年からお土産を廃止した大手商社の双日が20日に開いた株主総会では、出席者が355人と、昨年から9割近く減った。昨年までは菓子などを渡していた。双日は「お土産をやめた影響はあると思う」と話している。

 資産運用会社のスパークス・アセット・マネジメント(東京)が20~59歳の株式投資経験者を対象に今年5月に実施した調査(複数回答)によると、総会に出席したいと思う理由は「お土産をもらいたいから」が62・7%で1位だった。2位の「今後の投資の判断材料にしたいから」(43・0%)を大幅に上回った。

 ただ、大和総研の鈴木裕主任研究員は「総会に来ない株主の方が圧倒的に多く、地方に住む人には出席の機会も少ない。受付でお土産をもらってすぐ帰る株主もいる。一種の礼儀なのだろうが、必要があるのか疑問だ」とする。

 東京証券取引所などの調査では、上場企業の個人株主数を単純合算した延べ人数は、2016年度に前年度比23万人増の4967万人と3年連続で増加。全株主数の97%を占める。個人株主とどう向き合うかは企業の重要な課題となっている。【共同】

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