■「地場産業を育成」反発も

 ふるさと納税の返礼品は寄付額の3割までとする総務省の通知を受け、最大で4~5割としていた佐賀県内の自治体も相次いで“減額”に着手した。2市町が既に見直したほか、7月以降の年度内に県と4市町、来年度に2市町が変更を決めた。4市町は見直し時期を明確にしていない。高額返礼品の見直し要請には一部に疑問の声もあり、自治体によって対応が分かれている。

 既に見直したのは鹿島市、有田町。県と白石町は7月、伊万里市は今夏、玄海町は秋、多久市は来年1月受け付け分から見直す。嬉野市、江北町は来年度を予定、時期が未定なのは、武雄市、上峰町、太良町。唐津市も時期未定で「見直すことも検討」としている。

 時期が決められない理由としては、「内容量を減らす場合は梱包(こんぽう)形態などの変更が必要で、業者との調整上すぐには難しい」(上峰町)、「年間を通した供給体制を組んでもらっており、設備投資をした業者もある」(嬉野市)などが挙がる。武雄市の担当者も「4月に業者と契約したばかりで急に変更できない」と困惑する。

 佐賀市、鳥栖市、小城市、神埼市、吉野ケ里町、基山町、みやき町、大町町の8市町はこれまでも3割以下だったので現行通りとした。

 総務省の通知では、高額な返礼品にも待ったがかかった。有田町や伊万里市など地域の伝統産業である焼き物を返礼品のメニューに加えている自治体からは、戸惑いや反発の声が上がっている。

 伊万里市は1万円の寄付で食器類、100万円で大皿や瓶子などが返礼品のラインナップに挙がる。塚部芳和市長は「伊万里焼は高くて当たり前。何でも規制するのはいかがなものか」と疑問を呈する。担当職員も「全国で匠(たくみ)の技が消えゆく中で伝統産業を保護・育成していくのも市の責務。重要な地場産業でもあり、むしろふるさと納税の趣旨に合致するはず」と一律の要請に反論する。

 有田町は総務省から個別の要請があったことを明かし、「9月をめどに150万円以上の寄付に対する有田焼などの高額な返礼品を取りやめる方向」という。これまで700万円以上の寄付からは人間国宝・井上萬二氏の一点物の作品なども選べた。今後は「窯元と話し合い、出せるものがあれば対応していきたい」。

 上峰町も500万円の寄付に対し牛1頭分の肉を贈っていたのを取りやめた。担当者は「資産価値の高いものではないが、通知を順守する姿勢を見せたかった」とし、「税金を控除されるのにもかかわらず、資産価値が高い返礼品だとさらに財を蓄えることになる」と政府の方針に理解を示した。(取材班)

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