Q.会社員の夫は毎日残業で帰宅が23時前後になり、週末も毎週1日は出勤しており、体を壊さないか心配です。長時間労働に対する法律の規制はあるのでしょうか。

 A.深夜・休日まで仕事をしていると、あとは食事をして寝るだけしか時間が残らないということになります。このような長時間労働は脳・心臓疾患の発症率を高めるほか、メンタルヘルスの問題も生じさせます。体調を崩し、最悪の場合、死に至るケースもあります。

 そのため労働時間については、労働基準法において原則として1日8時間、1週間で40時間を超えてはならないと規定しています。例外として、労使間で労働基準法36条に定める労使協定(36=さぶろく=協定)を締結し、これを行政官庁に届け出ている場合には時間外・休日労働を命じることもできますが、その上限として厚生労働大臣の定める基準では月45時間、1年間で360時間を目安とする(例外あり)とされています。

 また、厚労省は「脳・心臓疾患の労災認定基準」や「心理的負荷による精神障害の労災認定基準」を定め、長時間労働による労災認定の一つの基準としています。

 なお、これらの基準に満たない場合でも労災が認定されることもありますし、労災とならない場合でも雇用主の責任が認められることもあります。残業時間が労災認定基準以下だから雇用主には責任がないというわけではありません。基準以下であったとしても、長時間労働が心身の健康に悪影響を与えることは間違いなく、可能な限り長時間の労働は是正されるべきでしょう。

 最近では、政府の「働き方改革」で残業時間の新しい規制について議論されており、どのような内容になるか注目されています。しかし、どのような規制が設けられるにせよ、働くことで健康を害し、倒れてしまっては取り返しがつきません。自身や周りの人が働き過ぎではないかと疑われる場合には、最悪の事態が生じる前に一度、弁護士に相談されることをお勧めします。

(弁護士 半田望 佐賀市)

佐賀県弁護士会・電話無料法律相談 電話0952(24)3411

毎週火曜17時半~19時半、土曜13~15時半

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