猿川の「天然プール」は地元の人たちに愛され続けている=有田町岩谷川内

■今も愛される天然プール

 8月、気温は36度。水に浸した温度計は見る間に10度下がりました。有田川水系、真夏の猿川渓谷です。岩の上から飛び込む子、岩間にウオータースライダーを楽しむ子もいます。天然のプールに、水しぶきが上がります。

 昔から有田川やその支流には、かんがいや洪水の濁流緩和のための井堰(いぜき)が設けられていました。学校にまだプールがなかった夏休み、子どもたちは堰が造る最寄りの「天然のプール」を利用していました。私も当番の保護者の監視のもと、有田川で水遊びをしていたのを覚えています。

 昭和30年代、猿川から歩いて20分の有田小学校に勤めていた母の話によると、水源に近く水がきれいなこの猿川の「プール」は、体育の授業にも使われ、校内水泳大会も催されていたそうです。学校にプールができてからも、猿川の「天然プール」はずっと有田の人々に愛され続けました。

 母の記憶にある姿よりさらに美しく整備され、また何十年と続く地域の方々の清掃活動に支えられて、猿川渓谷の夏は今も、子どもたちの歓声に満ちあふれています。(地域リポーター・中村智子=伊万里市)

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