ここ掘れ、わんわん-。大判小判の金貨ではなく、ごみが出てくる。すると、役人が「この土地を8億円値引きして売ろう」と言う。さすがの花咲かじいさんも「昔話でも聞いたことがない」と驚くだろう。小学校建設が進む大阪府豊中市の国有地処分をめぐり、政府が大きく揺れている◆土地そのものが国民の財産なのに、土中にどれだけのごみがあるか把握せず、ずさんな見積もりで学校法人に売却した。時価から86%の値引きだ。国の借金は1千兆円を超え、財政は危機的状況と言う割には、財務省もずいぶんと気前がいい◆誰が関与したのかを検証するために交渉記録を求めると、官僚は「売買契約が終わったので文書を処分した」と。この言い分が通れば、どんな隠蔽(いんぺい)もできる。ざる法と呼ばれる政治資金規正法も含め、政官の疑惑にはなんと抜け道が多いことか。昨今騒がれた渦中の人を見ても、うやむやな幕引きだ◆今国会に過去廃案になった共謀罪が形を変え、「テロ等準備罪」として提案される。テロ対策も大事だが、国民の財産をかすめ取る政官業の“共謀”がよほど差し迫った危機に感じる◆国の大安売りにもかかわらず、撤去したごみの一部が敷地内に埋め戻されたという業者の証言もある。事実なら不法投棄だろう。そんな土壌では、子どもたちの未来に花は咲かない。(日)

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