会場中央の土管からゲームキャラクター「マリオ」に扮(ふん)した安倍首相が、ひょっこり登場した。リオ五輪閉会式。4年後の東京へいざなうパフォーマンスに目を凝らした◆首相はマリオのトレードマークの赤い帽子をかぶり、小池百合子・東京都知事は和服姿で五輪旗を優雅に振って見せた。世界中の言語で浮かび上がる「ありがとう」の文字-。熱闘の余韻を残しフィナーレを迎えた五輪のバトンは、東京へと渡された◆次の東京までカウントダウンの始まりだ。さまざまな課題を背負い、開幕へ向け歩を進めることになる。何より案じられるのは、開催時期が7月24日からで、パラリンピックが8月25日からだということだ。猛暑、豪雨、台風…。難題ぞろいで相手が自然条件ときているから手強い◆1964年の東京大会は秋晴れの10月10日が開会式だった。詩人の堀口大學は「燃えろ東京精神」という五輪をテーマにした詩で<アジアの東/東京の/秋十月の空の色/澄んで清いぞ/抜けるほど>とうたっている。スポーツには絶好の気候だった。「アスリートファースト(選手第一主義)」を掲げるなら、酷暑対策をどうするかが成功の鍵を握るかもしれない◆まだ4年も、いや4年しかない。関係者や選手には短い時間になるだろう。リオが終わったばかりだが、何だか待ち遠しい。(章)

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