排水門(奥)の開門を訴え、潮受け堤防上を行進する漁業者ら。左は調整池=27日午前、長崎県諫早市

 国営諫早湾干拓事業を巡る問題で、開門差し止めを命じた長崎地裁判決に国が控訴しなかったことを受け、佐賀など4県漁業者らが27日、長崎県諫早市の潮受け堤防管理棟前で抗議集会を開いた。約400人が集まり、「国は開門しないと不当なことを言った。これでは有明海の未来がない」と怒りをあらわにした。

 参加者は「宝の海を子供達に」「水門開放」といった横断幕や旗を掲げ、漁業者9人が「漁民に負担をかけ続けている」「有明海の再生以外、何も望んでいない」と訴えた。

 ノリ漁業者の西村昭彦さん(51)=佐賀市川副町=は「後継者はいるが、この状況で継がせることはできない。国が漁業者を守る姿勢を見せるまで訴え続ける」と強調した。ノリを作る大島兼満さん(37)=鹿島市=も「国は何を考えているのか。さっぱり分からない」と非難、「開門できないなら、せめて排水の方法だけでもどうにかしてほしい」と切実に願った。

 集会後は北部排水門沿いを「開門判決を守れ」「宝の海を返せ」と大声を上げて行進した。タイラギ漁業者の平方宣清さん(64)=藤津郡太良町=は「この20年間、ずっと苦しめられてきた。それに対して国は何の反省もない」と憤り、「これだけ多く集まったのは漁業者の危機感の表れ。今後も自ら声を上げ続けていかなければ」と述べた。

 国は2010年の確定判決で開門の義務を負っているが、差し止め判決を控訴しない方針を25日表明した。開門をせず、漁業振興基金による和解を目指すとしている。

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