「難しいものができたときは達成感がある」と木型製作の魅力を語る一瀬昌利さん=鹿島市山浦の東亜工機

保護司として長年活動し、現在は伊万里地区保護司会の事務局を務める川元和弘さん

約20年にわたる調停委員活動が評価された藤原須美子さん=佐賀市兵庫南

 2017年春の褒章受章者が28日付で公表され、佐賀県内からは3人が受章した。業務精励で模範となり黄綬褒章を受章した東亜工機の一瀬昌利さん(63)=鹿島市=と、藍綬褒章を受章した保護司の川元和弘さん(64)=伊万里市、調停委員の藤原須美子さん(70)=佐賀市=の喜びの声を紹介する。

■県内受章者(敬称略)

○黄綬褒章(1人)

 一瀬 昌利63 東亜工機製造部鋳造課範師   鹿島

○藍綬褒章(2人)

 川元 和弘64  保護司   伊万里

 藤原須美子70  調停委員   佐賀

【業務精励功績】一瀬昌利さん(63)=鹿島市= 木型製作の技、次世代へ

 1972年に東亜工機に入社して45年間、木型製作一筋で歩んできた。2015年に「現代の名工」も受賞した63歳は「受章は考えてもいなかった。びっくりしているというのが本音」とはにかむ。

 幼い時から物を分解し、その仕組みを知ることが好きだったという。同社に就職後は設計の道を希望したが、「紙の図面から立体が出来上がること」に魅力を感じ、最初に配属された木型に没頭。大型船の部品の木型製作などに携わった。

 昨年からは技能を後輩へ継承する「範師」として現場で指導を続ける。「木型を間違えると製品を駄目にしてしまう。あと何年か、少しでも会社に恩返しができれば」と尽力する覚悟だ。鹿島市古枝。

【更生保護功績】川元和弘さん(64)=伊万里市= 悩み抱える若者の力に

 元市職員で、在職中の1988年に保護司を委嘱された。若い頃から悩みを抱える青少年のよき兄貴分として相談に乗り、一緒に遊ぶBBS活動にも携わっていた。「長年の活動を評価していただいてうれしい」と控えめに喜ぶ。

 80年代は「荒れる学校」の時代。大人社会への不信感をむき出しにする若者との信頼関係を築くのは容易ではなかったが、何度も通って熱意を伝えて更生の糸口を探った。

 「自分は一人じゃないことを気付いてもらうことが大事」。非行少年を雇用してくれる事業所を探して回る中で、学校、地域とも連携して社会全体で若者を温かく包み込む必要性を実感する。伊万里市大坪町。

【調停委員功績】藤原須美子さん(70)=佐賀市= 家庭の悩みに寄り添い

 約20年にわたり、主に離婚協議の調停を行う家事調停委員を務め、相手との信頼関係を築く重要性を学んだ。「調停の内容はそれぞれ違うので、まだまだ学ぶことは多い。受章を励みにもっと勉強したい」。

 中学校教師を40代で辞めた後、民生委員を務め、1998年に調停委員に。子どもがいる家庭の離婚協議はつらく「両親の離婚に子どもはどうすることもできない。子どもの立場で話を聞いている」。

 何組もの協議に携わり、気が重く葛藤することもあったが、家族や同僚に支えられてきた。調停委員活動の周知にも力を入れたいといい、「家庭内で困ったことがあれば何でも相談してほしい」と呼び掛ける。佐賀市兵庫南。

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