900年近く変わらない所作を披露する「脇野の大念仏」=伊万里市東山代町の宝積寺

 伊万里市東山代町脇野地区に伝わる県重要無形民俗文化財の「脇野の大念仏」が21日夜、同地区の宝積寺で開かれた夏祭り「万燈の夕べ」で披露された。古式ゆかしい所作にのっとり、白装束をまとった踊り手が鉦(かね)や太鼓を打ち鳴らして舞い踊った。

 世襲によって脇野地区に伝えられてきた秘法念仏。霊を地上に迎え、同化し、最後は天空の世界に送り出すという3段で構成されている。まず鼓役と鉦役が輪になり、ゆっくりと古老や笛方の周囲を回った。転調すると徐々にスピードを上げ、笛も加わった終盤は激しく飛び跳ねる所作を繰り返した。境内には住民らが集まり、伝統の踊りを見守った。

 地域の伝承芸能は華美に娯楽化される例が多いが、大念仏は起源とされる平安時代から900年近く原形をとどめているといわれる。かつては雨乞い儀式の時にだけ奉納されていたが、伝承のために地元の保存会が万燈の夕べで披露するようになり17年目になる。

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