定例会見でフリーゲージトレインの見直しについて言及したJR九州の青柳俊彦社長=福岡市のJR九州本社

 九州新幹線長崎ルートに導入予定のフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)の開発が遅れている問題に関して、JR九州の青柳俊彦社長は20日、現在実施している検証走行試験で安全性や経済性の課題をクリアできない場合、国にフル規格での整備を要望する考えを明らかにした。

 JR九州本社(福岡市)での定例会見で答えた。FGTは車軸の不具合対策や車両コストに課題が残っていると専門家が判断。今月3日から半年ほど検証走行試験を行い、5~6月に耐久走行試験に移行できるかを技術評価委員会で評価する。その結果を受けて与党も導入の可否を最終判断するとしている。

 青柳社長は「(来年初夏の判断で)これまで2年かけてやった対策が不十分ということになれば、FGTの開発がかなり先に延びると言わざるを得ない」と指摘した。その上で「運行する事業者としては(先延ばしを)避けたいと考えており、一定の方向性を来年の初夏には示していただきたい」と言及し、技術評価委員会の評価がターニングポイントになるとした。

 22年度に博多-武雄温泉を在来線特急、武雄温泉-長崎をフル規格の新幹線で乗り継ぐ「リレー方式」での暫定開業を予定しているが「その状況が長く続くことは適切ではない」と言明した。これ以上、FGTの開発に遅れが出るなら「それに代わるものの検討を国の方でお願いしたい」とフル規格での整備を求める考えを示した。

 開発期間確保のため国がリレー方式での運行期間の延長を要請した場合の対応を問われると、「状況次第だと思う。具体的にどんな提案か見極めた上でわれわれの考えを示したい」と述べるにとどめた。

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