欠陥エアバッグのリコール問題で民事再生法適用を申請したタカタ九州。従業員は通常通り働いた=26日午後5時ごろ、多久市東多久町

■県内に22社、下請けは保護

 欠陥エアバッグのリコール問題でタカタ九州(多久市)が民事再生法適用を申請した26日、佐賀県内の関係者は雇用や取引が当面守られることに安堵(あんど)の表情を浮かべた。地域経済への影響は限定的という見方が大勢を占める一方、先行きに対する不安の声が漏れた。

 「『何も心配いらない』と会社から言われた」。夕方、多久工場から出てきた50代男性は足早に立ち去った。40代の男性派遣社員はこの日、従業員向けに民事再生についての説明があったと明かし「経営幹部が『雇用は維持する』と強調した点が印象に残った」。

 タカタは国内の製造拠点を閉鎖せず、従業員の雇用条件も維持するとしている。山口祥義知事は「多久、有田の操業、雇用の維持が最大の関心事だっただけにほっとした」。タカタの高い技術に触れ「リコールされたから新たなエアバッグが佐賀で作られていると聞く。これからも必要な技術で、なくなるとは思っていない」と強調した。

 帝国データバンクによると、タカタと取引がある下請け企業は全国で571社、佐賀県内で22社あるという。再建には部品供給が不可欠になるため、下請けは保護する方針という。

 裁判所の管理下に置かれての経営再建。代金支払いの遅れが発生する懸念を持っていた製造業の経営者は「支払いを滞らせず、取引も続行するというファクスをもらった」と胸をなで下ろす。タカタ九州は取引のある十数社に民事再生法に関し説明しており「詳しい内容は後日ということだったが、これまでと何も変わらないという話だった。正直ほっとした」と語った。

 ただ、中国企業傘下の米自動車部品会社が再建することに懸念は残る。派遣社員の男性は「今回、自分たちにはほとんど何も知らせてくれなかった。合理化の名のもとにリストラされないだろうか…」と不安を口にした。

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