「農業の多面的機能を活かした農村計画」と題し講演する学習院女子大の荘林幹太郎教授=鳥栖市のホテルビアントス

 佐賀県内の生産組合のリーダーを対象にした交流研修会が5日、鳥栖市で開かれた。学習院女子大副学長の荘林幹太郎教授が講演し、農産物を生み出す生産活動以外の「農業の多面的機能」を生かしながら、農村の価値を最大限に高める政策の必要性を訴えた。

 元農水省職員の荘林教授は、政府の最近の農業政策について「とにかく強い農業をつくればいいと、明らかに経済に偏っている」と疑問を投げ掛けた。「経済」「環境」「社会」というニーズのバランスをとり、農業の持続性を維持することが重要とした。

 農業には洪水や土砂崩れの防止、地下水の維持、景観や環境の保全などさまざまな機能があり、荘林教授は「農家は多面的機能も生産している」と表現した。ただ、多面的機能を維持するために税金を使う欧州連合(EU)各国と違い、日本は実効性のある農業環境政策が著しく低調であると指摘。「農家に負担をかけずに地域の多面的機能を良くし、(互いに利益を享受する)ウィン・ウィンの関係を目指すべき」と述べた。

 研修会には約50人が参加。佐賀地方気象台の調査官による気象情報の活用方法についての講演もあった。

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