佐賀財務事務所がまとめた有田焼主要組合の2015年の共同販売事業の売上高は、前年比0・7%減の19億5000万円だった。業界を取り巻く環境は厳しく、メーカーや関連業者の人員不足から受注の取りこぼしもあり、2年ぶりに前年を下回った。

 共販は、組合が窯元に代わって商品代金を商社から集金する金融事業。近年、拡大傾向にあるインターネット販売や大手窯元の直販は含まれず、産地全体の売上高とは隔たりがあるため、同事務所は今回から記者発表を取りやめた。

 同事務所によると、共販売上高は1990年の157億8700万円をピークに減少傾向が続き、15年はピーク時の12・4%にとどまる。旅館やホテル向けの業務用食器の低迷などで生産規模が縮小。窯元、生地・型製造業に携わる技術者が減り、製造に時間がかかって商機を逸する課題があるという。

 一方で、デザインに優れた製品は国内外で評価され、産地の売り上げをけん引しつつある。聞き取り調査では「工夫を凝らした製品で販路開拓ができ、前年の売り上げを超えた」「県の有田焼創業400年事業のプロジェクトで上向きになってきた」と明るい声も聞かれたという。

 同事務所の担当者は「ほぼ横ばいという結果。人材確保という課題はあるが、ネットの売上高を加えれば明るさを取り戻しつつあるのではないか」と前向きな見方を示す。

 調査は、共販事業を行う2組合を対象に実施した。合計の組合員数は窯元約90社、商社約200社となっている。

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