インフルエンザに対するワクチンはどれくらい予防効果があるのでしょうか。ワクチンが効果を発揮するのはいくつかの条件があるので、単純に効果があると言い切れない側面があります。

 最近カナダから、2016年から17年シーズンのインフルエンザウイルスAに対するワクチンの有効性の結果が発表されました。それによると、1歳以上のインフルエンザと思われる症状を認めた患者さんのうち、インフルエンザ検査で陽性の370人と、陰性の536人を比較しています。

 ワクチン接種者の割合は、検査陽性患者で24%、検査陰性患者で30%と、やや検査陰性者でワクチン接種率が高い程度でした。しかしながら、ワクチンの効果が最も高かった地域を調べてみると、インフルエンザの流行とワクチン接種のタイミングが適切であったことがわかりました。逆に効果があまり認められなかった地域では、流行が遅く、ワクチンの効果が弱くなった時期に流行が重なっていました。

 したがって、ワクチンを接種するタイミングは大切であり、これまでのデータから予測される流行の時期を考えたうえでのワクチン接種が必要ということになります。これは国立感染症研究所などが発表しているインフルエンザ情報を参考にする必要があります。また、別の報告ではインフルエンザに関連する病気(例えば肺炎など)による死亡率はワクチン接種によって、少なくさせるとの報告もあります。

 結論から言えば、インフルエンザワクチンは有効ですが、打つ時期についてはかかりつけの医療機関に相談して受けることをお勧めします。(佐賀大医学部附属病院 検査部長・末岡榮三朗)

このエントリーをはてなブックマークに追加