◆攻撃検知、運転手に警告

 自動運転車のシステムに活用される通信ネットワークへのサイバー攻撃を防ぐため、車の国際的なルールを定める国連機関は11月にも防護対策の指針を採択する。自動運転技術の開発が進む日本とドイツが主導。サイバー攻撃を阻止する対策に加え、攻撃を検知した際には、運転手に警告し、暴走を防ぐ対策を備えることが柱。指針を基に各自動車メーカーに具体策を求めていく。

 国連の交渉関係者が23日までに明らかにした。9月24、25日に長野県軽井沢町で開かれる先進7カ国(G7)交通相会合でも議題となる見通し。国連での議論を踏まえ、自動運転の実用化に向け協議を加速することなどを議長声明に盛り込むとみられる。指針は、ジュネーブの「国連自動車基準調和世界フォーラム」で議論。フォーラムではまず高速道路について、安全に車を走行させる技術基準案の策定が始まっており、今後は、サイバー対策の基準づくりも同時並行で進むことになる。

 自動運転システムは、人工知能(AI)を駆使し、ハンドルやブレーキの操作を人間がしなくても車両が走行する仕組み。家電などさまざまな機器が連携するモノのインターネット(IoT)の技術が必要とされる。サイバー攻撃にさらされた場合、車が乗っ取られたり、暴走したりする危険がある。

 欧米メディアによると、米電気自動車メーカーのテスラ・モーターズの車両に関して専門家が実験したところ、低速走行中の車を外部から操作しパーキングブレーキを作動させて停止させたり、計器類などの画面表示を消したりできたという。

 サイバー防護対策の指針は、自動運転システムへのネット経由での侵入を阻止し、もし侵入されても、それを検知し暴走などにつながらないような対策を要求。どのような攻撃が行われているのか運転手が把握できるよう規定する方向だ。

 国連とは別に、米国は独自に安全対策をつくる方針を打ち出している。

=ズーム=

 ■車の自動運転 ITを駆使し、人間が運転操作をしなくても車両が走行する仕組み。渋滞の解消や事故の減少が期待される。国内外の大手自動車メーカーなどが開発を進めており、日本メーカーは2020年の東京五輪までの実用化を目指している。米IT大手グーグルは、運転手を必要としない完全自動運転車の実証実験を米国で始めている。現在の国際基準では時速10キロを超える速度での自動のハンドル操作は禁止されており、国連では、まず高速道路での自動運転について基準案の話し合いが行われている。

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