国土交通省と農林水産省は23日、全国の市街化区域にある農地を相続する際に税を猶予する特例制度について、農地を賃貸して耕作が継続される場合も対象とする方針を固めた。現在は相続人自身が農業を続ける場合に限り、相続税の大部分が猶予される。市街地の緑を守ることで美しい景観を維持し、防災機能も強化できると判断、2017年度の税制改正要望に盛り込む。【共同】

 市街化区域の農地は基本的に相続税などが宅地並みに課税されているため、重い税負担や後継者不足から農地を手放し、宅地などに転用されるケースが多かった。市街化区域の農地は三大都市圏のほか、政令指定都市、県庁所在市などにあり、相続税軽減による緑地の保全を狙う。

 政府は、市街化区域の土地を高度利用するため、農地の宅地並み課税を進めてきた。14年の市街化区域の農地面積は6万3418ヘクタールで、1993年から半減しているが、価値を再評価し、政策を見直す。

 現行では、相続した本人が、三大都市圏の一部地域は終生、それ以外の地域は20年間、耕作を続けることを条件に、納税猶予を認めている。

 新制度では、近隣農家や業者に賃貸するなどして農業を続ける場合も猶予の対象とする。自治体が所有者などに長期間にわたり耕作を継続する計画の提出を求め、借り手が代わる場合には、その都度審査する方針。

■ズーム 農地の宅地並み課税 

 農地転用による宅地開発を促すため、三大都市圏などの市街化区域にある農地に対し、固定資産税や相続税を宅地並みに課税する制度。バブル期の土地高騰を受けて、1992年度に現在の制度が導入された。耕作を続けるなどの条件を満たした一部の農地は除外されている。

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