■土地相続後、手続き敬遠か

 民間有識者でつくる研究会は26日、所有者が分からない土地が全国で約410万ヘクタールに上るとの独自の推計を公表した。面積では九州を上回り、登記された土地の筆数では全体の2割に当たる。地価の下落で資産価値が下がった土地を相続で引き継いだ人が、登録免許税や固定資産税といった税負担につながる登記手続きを敬遠しているのが原因のようだ。

 所有者が不明なままだと、固定資産税などの徴収や公共事業の支障になるほか、農地や森林の荒廃にもつながる。政府は対策の検討を急ぐが、人口減少の進展に伴い、問題が一段と深刻になる恐れもある。

 所有者不明土地問題研究会(座長・増田寛也元総務相)の推計では、登記がある全国の土地のうち20・3%は所有者を特定できない。土地の種類別では、宅地の14・0%、農地の18・5%、林地の25・7%が所有者不明という。

 登記をたどるなど手だてを尽くせば所有者が判明するケースもあるとみられるが、増田氏は「人口減少や少子高齢化により、所有者の分からない土地は今後も増える」と指摘している。

 政府は今月策定した経済財政運営の指針「骨太方針」に、こうした土地を国や自治体が利用できる仕組みを検討することを盛り込んだ。近く関係省庁が具体案の検討に入り、来年の通常国会で必要な立法措置を取る方針だ。

 研究会は、国土交通省の地籍調査で土地の登記名義人に郵送した調査通知が届かなかったケースを「所有者不明」と定義。さらに市区町村別の総人口や高齢者死亡者数などの統計を使って独自に推計した。【共同】

このエントリーをはてなブックマークに追加