富士通が携帯電話の開発・製造事業を売却する方針を固めたことが22日、分かった。米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」などの攻勢で販売減が続き、抜本的な収益改善が見込めないためで、来月にも入札手続きを始める。京セラなどの携帯メーカーや国内外の投資ファンドが入札に参加する可能性がある。

 富士通は競争が激しい個人向け事業から撤退し、人工知能(AI)やクラウドといった先進的なITを活用した法人向け事業への注力を進めている。携帯事業の売却により、一連の構造改革は最終局面に入る。

 国内の大手携帯電話メーカーは「ガラケー」と呼ばれる従来型の全盛期だった2000年代初めに約10社あったが、国内勢ではNECがスマホから撤退するなど電機大手が相次いで携帯事業を縮小していた。売却が実現すれば携帯メーカーはソニー、シャープ、京セラに絞られる。

 富士通は「アローズ」や「らくらくホン」のシリーズを手掛け、主にNTTドコモ向けに出荷しているが、近年の国内市場シェアは1割未満にとどまり、アップルやソニーに引き離されている。17年度の出荷台数は310万台を計画し、ピークだった11年度の800万台と比べて4割弱へと縮小する見通しだ。

 富士通は自社ブランドの端末を残したい考えで、売却対象と見込まれる川崎市の携帯事業子会社の一部株式は継続保有するとみられる。経営資源は今後、法人や官公庁向けシステム開発など安定的な受注が見込めるIT関連サービスに集中する。18年3月期連結決算は構造改革に伴う費用の計上が一巡し、純利益が前期比63・9%増の1450億円となる見通しだ。【共同】

■富士通のリストラ 先進技術を持つITインフラ開発などを中核と位置づけ、事業構造の再編を進めている。インターネット接続業を手掛けるニフティの個人向け事業を家電量販店のノジマに売却した。カーナビの富士通テンの保有株式の大半をデンソーに売却することで合意。パソコン事業は中国の聯想(レノボ)グループとの統合に向けて協議を続けている。【共同】

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