■一部取引行、不良債権に分類も

 経営再建中の東芝を巡り、取引がある銀行や株式を持つ生命保険会社などの大手金融機関が、2017年3月期決算で計2千億円規模の損失を計上する見通しとなったことが28日、分かった。融資先の倒産に備えて積み立てている貸倒引当金の増額を余儀なくされたことなどが響いた。一部の取引行では、東芝向け融資を不良債権に分類したことも判明した。

 東芝の業績悪化が金融機関の決算に影響を及ぼし始めた。主力行は支援を続ける方針だが、大手行より利益水準が低い地方銀行で動揺が広がる可能性がある。

 銀行は融資先に対して信用度に応じて「正常先」から「破綻先」までの債務者区分に分類し、倒産リスクに応じて貸倒引当金を積み立てている。

 三菱UFJフィナンシャル・グループの2行はそれぞれ、東芝の債務者区分を上から2番目の「要注意先」から3番目の「要管理先」に下げ、引当金を増額したもようだ。正常先や要注意先に区分されている企業への融資は正常債権だが、要管理先以下の企業への融資は不良債権となる。

 引当金は三菱UFJがグループ合計で700億円程度を計上する。三井住友、みずほ、三井住友信託の主力取引銀行もそれぞれ数百億円を引き当てる方針だ。三井住友信託の親会社の三井住友トラスト・ホールディングスは28日、引当金の増加を踏まえ、17年3月期の連結純利益の見通しを従来の1700億円から1210億円に下方修正すると発表した。

 生保会社では第一生命保険と日本生命保険が東芝の大株主に名を連ねている。東芝の株価下落を受けて、持ち株の評価額が下がり、2社で計350億円程度を損失として計上する見通しだ。【共同】

=用語解説=債務者区分

 銀行は融資先の財務状況や収益力、返済能力を分析し、信用度に応じて債務者区分を設定している。信用度が高い順に「正常先」から「破綻先」まである。区分が下がると、倒産に備えて積み立てる貸倒引当金を増やす必要がある。上から3番目の「要管理先」の場合、融資額のうち担保でカバーされない部分の数十%の引き当てを積むことが多く、損失として処理される。

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