文部科学省は28日、学校内勤務時間が週60時間以上の教諭が小学校で33・5%、中学校で57・7%に上るとする2016年度の公立校教員の勤務実態調査結果(速報値)を公表した。週40時間までとする労働基準法に基づくと、これらの教諭は週20時間以上の時間外労働をしていることになり、おおむね月80時間超が目安の「過労死ライン」を上回る。06年度の前回調査と比べ、学習指導要領改定で増えた授業時間や、部活動・クラブ活動にかける時間の増加が勤務時間を押し上げた。

 教員の時間外勤務は法律などで限定されているが有名無実化しており、過重労働の深刻さが改めて浮き彫りになった。松野博一文科相は記者会見で「看過できない事態が客観的に裏付けられた」と述べ、中教審に働き方改革の検討を求める方針を示した。

 調査は全国の公立小中各400校を抽出し、教員計約2万人に16年10~11月の連続する7日間の勤務状況を聞いた。

 週勤務時間の平均は小学校で教諭57時間25分、副校長・教頭63時間34分、校長54時間59分、中学校で教諭63時間18分、副校長・教頭63時間36分、校長55時間57分で、いずれも06年度から増加。特に中学校教諭は5時間以上増えた。また、若い世代ほど勤務時間が長い傾向が見られた。

 副校長・教頭で週60時間以上だったのは、小学校で62・8%、中学校で57・9%に上った。

 教諭の平日1日の業務内容別勤務時間を平均すると、授業が小学校4時間25分(27分増)、中学校3時間26分(15分増)。清掃など集団指導は小学校1時間(17分減)、中学校1時間2分(4分減)だった。

 また、土日1日の学校内勤務時間は、平均で小学校が1時間7分、中学校が3時間22分だった。中学校では1時間49分増えており、内訳を見ると、部活動・クラブ活動が2時間10分(1時間4分増)を占め、大きな要因となっていた。【共同】

■教員の勤務 公立学校の教員の勤務時間は、休憩時間を除き1日7時間45分。仕事に自発性や創造性が期待され、勤務の内外を切り分けるのは適当でないとの理由で、時間外手当は支給されず、代わりに月8時間分の勤務に相当する本給の4%を「教職調整額」として全員に一律支給している。時間外勤務は、生徒の実習、学校行事、職員会議、非常災害など「超勤4項目」に限って命じることができるとしているが、形骸化しているとの指摘がある。

このエントリーをはてなブックマークに追加