女形から一転、りりしい男役に

紫のあでやかな着物に。舞台の上で、早変わりも=13日、唐津市大手口

着物を着て、髪を整え、さあステージへ

素顔の大川竜之助さん

 大衆演劇の座長、三代目大川竜之助さん(44)が故郷の唐津に拠点を置き、活動を再始動した。6月に熊本地震の被災地支援チャリティー公演を開き、大林宣彦監督による唐津映画「花筐(はなかたみ)」への出演も決まった。

 13日のからつ土曜夜市。大手口の特設ステージに立った大川さんはあでやかな女形から、りりしい男役に変身。客席から「ほぉー」と感嘆の声が上がった。

 大川さんは初代大川竜之助の四男で1972年、唐津市菜畑生まれ。初代は「座頭市をやらせたら勝新太郎か大川か」と評されたほどで、市内の「近松座」にも出演。父の姿を見て育った大川さんは唐津一中卒業と同時に一座に入った。

 息子とはいえ、厳しい縦割りの世界。芸を覚える前に掃除と裏方の日々で、自由時間もない。先輩後輩が一人前になる前に辞めていく中で、少しずつ踊りと芝居、歌を身につけた。

 2005年に独立し「劇団竜之助」を旗揚げした。拠点とする大阪で半年、東京など巡業が半年という活動を続け、07年には大衆演劇として初めて国立文楽劇場での公演を成功させた。

 その後、「厄年を迎え、何となく休みたくなり」、2年前に唐津に帰郷。唐津曳山取締会副総取締の古賀常年さん(68)と出会い、十四番曳山七宝丸(江川町)を曳く中で、「熱い気持ちがよみがえり」、再び舞台に立つようになった。

 「(大川さんは)どんな舞台であろうと決して手を抜かない」と古賀さん。土曜夜市の30分のステージでも3回着替え、汗で化粧が流れ落ちる熱演。終了後は「酸欠状態」で楽屋に倒れ込んだ。

 「花筐」では女形の役者ながら坊主頭にして出征する若者の役。これまで「水戸黄門」「遠山の金さん」などテレビ時代劇には出演したが、映画は初めて。「新しい世界を知るチャンス」と故郷が引き合わせた映画出演を楽しみにする。

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