約30メートルにわたり農業用ビニールなどが焼却されたのり面=佐賀市川副町

■農業用、水質への影響懸念

 佐賀市が自粛を促している野焼きが後を絶たない。市がパトロールしているものの、処分に費用がかかる農業用ビニールを一般ごみと混ぜ、水路ののり面で燃やしている例が目立つという。近隣農家からは、燃えかすによる農業用水への影響や野焼きの常習化を懸念する声が上がっている。

 6月上旬、佐賀市川副町小々森の農業用水路のり面で、約30メートルにわたり軽トラック10台分ほどの農業用ビニールなどを燃やしたとみられる野焼き跡があった。清掃ボランティアを続ける「日本ボランティアクラブむつごろう」の代表で、近くの農家北村広紀さん(59)は燃やす現場を目撃、「ここまでひどいのは初めて」と憤る。有明海につながる水路で「燃えかすが雨で水路に流れて汚染につながるのでは」と気をもむ。

 家庭ごみなど一般廃棄物や農業用資材の焼却は専用施設以外では廃棄物処理法で禁止されている。農業で出る稲や麦わらなど少量は例外で認められているものの、「洗濯物ににおいが付く」「窓が開けられない」といった苦情が寄せられ、市は自粛を促している。

 JAさがは年1、2回、農業用廃プラスチック、マルチシートなどを1キロ15円程度で回収、昨年度は約1400トンをレジ袋や固形燃料などに再利用している。

 市によると、昨年度、住民からの通報などで対応した野焼きは78件、職員のパトロールや通報で回収した不法投棄は282件、約13トンに上った。環境保全課は「小規模な野焼きでは水質への影響は少ないと思うがゼロとは言い切れない。稲とビニールの野焼きを見分けるのは難しく実態はつかみにくい」と頭を抱える。北村さんは「農家にとって水は命。根本的に意識を変える必要がある」と訴える。

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