昼休みにできる長い列。その先には…。

はい!川尻さんの笑顔が待っています。

 「ポケットに手を突っ込まない!」元気な声が小窓の中から聞こえる、ここは昼休みの購買前だ。駅の改札を思わせる小窓から「はい、おつり50万円」と生徒に50円玉を手渡す川尻陽子さん(42)は、有工生から「購買のカワジリさん」と親しまれている。

 ポケットに手を入れて歩く、机の上に座る、女子が制服の第一ボタンを開けている。そんな光景を見かけると、川尻さんは黙っていられない。「第一ボタン!」と、商品を売るより先に、一声掛けずにいられないのだ。

 それは川尻さんが、生徒らの将来を思う心の表れだ。川尻さんは「社会に出て、苦労してほしくないから。私は自分を、みんなのお母さんだと思っている」と話す。母のように、生徒が風邪気味なら声を掛け、けがの様子を心配し、生徒一人一人に気を配る。

 今日も購買には、川尻さんの元気な声が響く。昼休みは購買前のテーブルでゲームに興じる生徒がいる。教育実習で有工に来ている卒業生が会いに来る。「購買のカワジリさん」は、いつも小窓の中から見守っている。(花)

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