海底から海面を見上げた景色をイメージした展示ブース。佐賀の伝統工芸を盛り込んでいる

■職人×仏デザイナー=現代アート

 佐賀の伝統工芸を取り入れた現代アート作品が、5月3日から6日間開かれるパリの国際工芸展に出展される。佐賀錦や名尾和紙などの職人がフランス人デザイナーと組んで挑戦した。伝統工芸の新たな一面を見ることができる。

 世界の一流工芸品を紹介する「レベレーション」展は隔年開催で、今年で3回目。佐賀の伝統工芸を支援するNPO法人「ピース・ウインズジャパン」佐賀事務所が、県内の職人らに参加を呼び掛けて応募し、審査を通過した。会場はパリ万博が開かれたグランパレで、日本からは他に2団体が出展するという。

 参加するのは肥前びーどろの副島硝子工業(佐賀市)、佐賀錦振興協議会(同)、諸富家具の飛鳥工房(同)とレグナテック(同)、肥前名尾和紙(同)、弓野人形の江口人形店(武雄市)、金工の花鏨(はなたがね)(唐津市)。浦島太郎をモチーフに、肥前びーどろと木の器を使った「玉手箱」や、和紙を立体的に固めたまゆ玉ランプなどを組み合わせ、海底から海面を見上げた景色をイメージした展示ブースに仕上げる。

 2月にフランス人デザイナーが各工房を訪れ、職人らと作品の構想を練り上げた。江口人形店の江口誠二さん(64)は、カメの甲羅や足のうろこなどを卵形に表現、鮮やかな金や藍色で彩った。「具象的な人形作りをしているため、抽象的に作るあんばいが難しかった」と振り返る。

 制作中は写真をメールで送り、デザイナーとやりとりし、何度も手直しが入ったという。「フランス人の感覚が分かった気がする。展示物を見た海外の人たちの反応も気になりますね」と話す。

 作品の参加者も期間中に渡仏予定。NPO法人佐賀事務所の三好信子さんは「昔ながらの伝統工芸が革新的なアートとしても昇華できる。多くの人に佐賀の伝統工芸を知ってもらうきっかけになれば」と期待する。

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