原発の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)を巡り、政府が提示する最終処分場の候補地として適性がある地域「科学的有望地」の名称を見直すことが27日、関係者への取材で分かった。「有望地」を使わず、「適性」などの表現を改める。

 政府が候補地を絞り込み、処分場を一方的に押し付けるとの印象を和らげる。多くの地域が候補になり得ることを強調し、国民の反発を回避したい考えだ。

 経済産業省は28日の有識者会合で方針を示し、候補地の適性を分類する新たな表現を議論する。政府は昨年末までに適性に応じ3色に塗り分けた日本地図により、有望地を提示するはずだった。しかし、国民の関心を高めるはずの提示により、かえって各地で反発や混乱が生じ、最終処分場選定の手続きが破綻しかねないとして、慎重に表現を見直すことにした。

 候補地の分類を示す名称からは「適性」との文字を除き、より曖昧な表現にする。「適性の低い地域」として提示を考えていた火山や活断層の周辺、隆起や浸食などがある地域は、「好ましくない特性があると推定する地域」に変更する方針だ。

 それに該当しなければ「適性のある地域」としていたが、「好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い地域」とする。このうち核のごみを受け入れるのに便利な海岸から約20キロを「より適性の高い地域」としていたが、「輸送面でも好ましい」に変える。

 核のごみは地下300メートルより深い場所に埋め、生活環境から隔離する。候補地の選定基準は地質など自然科学や技術的な観点だけで決め、人口密度などの社会的な要件を反映させない。【共同】

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