共同通信社は29日、憲法施行70年を前に郵送方式で実施した世論調査の結果をまとめた。日本が戦後、海外で武力行使しなかった理由について、戦争放棄や戦力の不保持を定めた「憲法9条があったからだ」とする回答は75%に上った。9条の存在とは「関係ない」は23%だった。9条改正を巡っては必要49%、必要ない47%で拮抗(きっこう)した。安倍晋三首相の下での改憲に51%が反対し、賛成は45%だった。

 北朝鮮情勢の緊迫化などを踏まえ、9条改正の必要性では賛否が二分する一方、戦後9条が果たしてきた役割は国民に浸透している現状が明確になった。改憲を「必要」「どちらかといえば必要」とする改憲派は計60%。改憲は必要ないとする護憲派は「どちらかといえば」を含めて37%だった。

 調査は5月3日で憲法施行から70年となることから3~4月に18歳以上の男女3千人を対象に実施した。

 改憲派に理由を尋ねたところ、トップは「憲法の条文や内容が時代に合わなくなっているから」で66%。これに「新たな権利や義務などを盛り込む必要があるから」が22%で続いた。「米国に押し付けられた憲法だから」「制定以来、1度も改正されていないから」はそれぞれ5%だった。

 具体的な改憲項目(二つまで回答)は「9条と自衛隊」(49%)、「天皇制」(25%)、「教育制度」(19%)の順。自民党などで浮上している、大災害時の国会議員の任期延長を含む「緊急事態条項の新設」は14%だった。

 護憲派は理由として「戦争放棄を掲げ、平和が保たれているから」(46%)、「改正すれば『軍備拡張』につながる恐れがあるから」(26%)、「現憲法で不都合なことがないから」(19%)などを挙げた。【共同】

 【注】小数点1位を四捨五入した。

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