トヨタ自動車の車や部品を販売する全国の約390社が連携し、結婚や介護のため退職する社員に、転居する地域での再就職先を紹介し合う制度を始めたことが23日、分かった。人手不足が問題となる中で会社の垣根を越えて即戦力となる人材を確保するとともに、女性の活躍などを促す狙い。

 対象は「トヨペット店」「ネッツ店」といった車の販売店やレンタカー店、トヨタホームの住宅販売店で働く社員。計約13万人で、うち女性は約15%を占める。店舗は47都道府県にあり、主に地元企業が運営している。

 政府は働き方改革で、仕事と家庭を両立できる社会づくりを掲げており、地域をまたいだ同業種の企業で協力して取り組む動きが広がる可能性もありそうだ。

 約390社でつくるトヨタ自動車販売店協会の久恒兼孝理事長(トヨタカローラ博多社長)が23日インタビューに応じ、制度の概要を明らかにした。協会が事務局を担い、6月に運用を始めた。

 協会は販売店を運営する会社の人事担当者の連絡先リストを作成し、各社に提供。会社側は、転居によってやむを得ず退職する社員にリストを渡す。社員は再就職を希望する会社に自ら連絡して求人の有無を確認し面接などの選考を受ける。

 久恒氏は「販売店のネットワークの中で安心して働ける環境をつくりたい」と強調。販売店は少子化で採用に苦労しており「経験ある人材は喉から手が出るほど欲しいと思う」との見方を示した。まだ制度を利用して再就職した実績はなく、周知に力を入れる考えだ。

 同様の紹介制度は、全国地方銀行協会に加盟する64行で2015年4月から実施している。これまでに再就職に至ったケースは109件という。【共同】

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