◆多様な課題に対応

 文部科学省がまとめた、中期的な学校指導体制構想の全容が25日、判明した。2017年度からの10年間で公立小中学校の教職員定数を2万9760人増やし、発達障害やいじめ、貧困など子どもが抱える多様な課題への対応を充実させる。構想1年目の17年度は、3060人の増員を予算の概算要求で求める方針。

 「『次世代の学校』指導体制実現構想」との名称で、教職員増員のほか、授業や部活動など教員が担う役割を明確にして、負担軽減を目指す。

 教職員定数は少子化により、今後10年間で4万5400人の自然減となる見通し。構想通りに増員が実現しても、実際には約1万5千人の減少で、国や自治体の負担は約1千億円減る。文科省は「国民に追加的な財政負担を求めないよう、最大限努める」とした。

 構想によると、2万9760人のうち、障害のある子どもが必要に応じて別室指導を受ける「通級指導」の担当教員に8900人、日本語指導が必要な外国人の子どもの担当教員に1900人を充てる。いじめや不登校への対応強化で1850人、貧困による学力格差解消にも千人を確保。

 教員の質向上のため指導教諭200人の配置も盛り込んだ。次期学習指導要領で全面導入予定の「アクティブ・ラーニング」の視点による授業改善に6900人、小学校での外国語や理科、体育などの専門的指導には1260人を充てる。

 多様な人材に学校運営に関わってもらう「チーム学校」体制の整備にも取り組み、その一環として事務職員や養護教諭ら6450人を配置する。

 教職員定数は、児童生徒数や学級数などで決まる「基礎定数」と課題に応じて政策的に配分する「加配定数」がある。

 構想の多くは加配定数での枠組みだが、文科省は通級指導や外国人の子どもの担当教員については、安定した配置ができる基礎定数に変えたい考えで、来年の通常国会で関連法の改正を目指す。【共同】

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