人工知能(AI)を利用した実証実験について記者会見した糸島市の月形祐二市長(中央)と富士通研究所の原裕貴取締役(左)=24日午後、福岡県糸島市

 富士通の子会社、富士通研究所と九州大は24日、福岡県糸島市への移住希望者を対象に、人工知能(AI)を使って住むのに最適な地域を助言する実証実験を始めると発表した。先端技術を使ってニーズを細かく分析して日常生活での満足度を高め、新たな環境にうまくなじめずに都市圏に戻る人を減らすのが狙い。

 人口減に悩む地方の自治体にとって、魅力をいかにアピールして都市などから移住者を確保するかが、重要な行政課題となっている。今回の取り組みが、解決に役立つ可能性がある。

 実証実験は今年9月~来年3月に実施。市が主催する移住支援イベントなどに訪れた際に年齢や子どもの有無などをパソコンに入力すると、駅の近くや病院へのアクセスが良いなど、その人が重視する条件を満たした地域が選択されるという。

 九州大がニーズを分析する数式をつくり、富士通がAI技術を提供した。この仕組みを使えば、短時間で移住希望者が自分のニーズに合った地域を選べる上、利用者が多くなれば蓄積が増えるため、より適切な提案ができるようになるという。

 糸島市は福岡市から近く、移住先として近年人気が高まる半面、定住できないケースも出ている。月形祐二・糸島市長は記者会見で「移住後に豊かさを実感してもらえる仕組みづくりに期待している」と述べた。

 富士通研究所の原裕貴取締役は「地域の課題を解決するためにAIが果たす役割は大きい。今は人に頼る部分も将来はAIが担えるようになり、質の高い行政サービスに貢献できる」と話した。【共同】

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