佐賀県関係者にあいさつする山本有二農相(中央)=佐賀市川副支所

 国営諫早湾干拓事業の開門差し止め訴訟の和解協議に関連して、山本有二農相が26日、就任後初めて佐賀県を訪れ、山口祥義知事や漁業者、開門を求める原告弁護団と意見交換した。山本農相は、開門しないことを前提とした漁業振興の基金案への理解を求めたが、開門調査実施を求める声が相次いだ。山本農相は、佐賀を含む沿岸4県の漁業団体、県、国でつくる「有明海漁場環境改善連絡協議会」を開催し、基金案への同意を求める考えを示した。

 山口知事や県議会議長、有明海沿岸の鹿島市、太良町の首長との会談では、両首長がタイラギやアサリなど二枚貝の水揚げが激減している窮状を挙げ、原因究明策としての開門調査を要望。山口知事も「漁業者は確定判決を守らない国を信用できるのかとの思いを抱いている。真っすぐに向かい合って、方向性を見誤らないでほしい」と訴えた。

 佐賀、福岡、熊本3県の漁協・漁連は連名で有明海再生に関する事業予算の確保などを求める要望書を農相に提出した。各代表者は、昨年漁協側が求めた基金的予算を国が拒否した経緯に触れ「和解協議の基金案は昨年の基金的予算と変わりない。違和感を感じる」などと批判し、基金案に反対する意向を示した。

 原告弁護団からは弁護士や漁業者、研究者が意見を述べ、「基金案を見ると、12年前に国が示した中長期開門に代わる再生案と何ら変わりない」と断じた。

 面談後、取材に応じた山本農相は「和解協議は重要な局面を迎えており、今が長年にわたる問題解決の好機」と強調、開門の要望が相次いだことには「気持ちは大事にしたいが、開門する意見を直ちに入れることにはつながらない」と答えた。27日は長崎県の中村法道知事らと意見交換する。

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