伊勢越境内の伊勢講碑

満開の桜の伊勢越

月光に阿弥陀三尊出現?

 すでに初夏、桜の木は新緑に覆われてしまいましたが、ひと月前、思い出深い場所で花を見ました。麓の作井手バス停から1キロほど登った、伊万里市二里町中田区の神苑「伊勢越」。そこは50年前、中里保育園のお花見遠足で、先生の説明を聞きながらみんなと咲き誇る花を眺めた場所です。

 ここには伊勢講碑があり、江戸時代お伊勢参りの旅費を積み立てて代表者が参宮を終えた記念に石碑を建立したそうです。九州の佐賀から紀伊半島の伊勢までは水杯を交わす大旅行だったことがしのばれます。

 並んで奉請三夜神と刻んだ自然石の石碑もあります。旧暦7月23日の「三夜待」、月光に阿弥陀三尊が現れるそうで、これを見ると幸運を得られると信じられています。

 また伊勢越近くの小高い丘に猿田彦大神の社があり、二百余年にわたって、申年ごとに「申相撲」が奉納されています。伊勢越は、申相撲の集合場所でもあります。

 昨年、申年の申相撲でも、伊勢越と猿田彦大神で浮立が奉納されました。

 花吹雪の中にたたずんでいると小学生のころの、きれいに化粧してもらい、晴れ着の着物にたすき鉢巻き姿、夢中で踊った浮立の思い出もよみがえりました。(地域リポーター・中村智子=伊万里市)

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