佐賀県内の障害者施設をめぐる防犯対策の調査結果が報告された研修会=佐賀市の県障害者福祉会館

 神奈川県相模原市の障害者施設殺傷事件を受け、佐賀県は26日、施設関係者向けの防犯対策研修会を佐賀市で開き、県内の障害者施設27カ所のうち、事件前に防犯訓練を実施していた施設はゼロで、防犯マニュアルを策定していた施設も7カ所にとどまっていたと報告した。各施設は地域への開放を目指して不審者の侵入は想定しておらず、県は国が今秋にもまとめる指針を踏まえて対策を練る。

 県は、障害者支援施設や障害児の入所施設の防犯状況を調査した。全施設が来訪者の用件を確認し、22施設が防犯カメラなどを備えていたが、訓練までは実施していなかった。

 夜間は、21施設が防犯カメラや赤外線センサー、警察への非常通報装置による機械警備を実施。警備会社に委託して警備員を配置している施設はなく、いずれも夜勤者が巡回していた。

 研修会では県警の担当者が障害者の目線に立った対策を説明した。誰が入ってきたのか目が届くように死角をなくすことや、来客時には音が鳴るような工夫を求めた。不審者が侵入してきた場合の職員の役割分担や、警察を呼ぶための合言葉を決めることも促した。

 非公開の意見交換会では、開かれた施設づくりと防犯の両立の難しさや、事件で心を痛める職員や利用者のケアを求める声が上がった。防犯設備の整備に関わる助成の要望もあった。

 ある施設関係者は終了後、「環境を一気に変えることは難しいが、できるところから手をつけたい」と話した。別の参加者は「パニックにつながりかねない大きな音以外で、緊急事態を知らせる方法を考えなければ」と、具体的な対応を思案していた。

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