佐賀銀行の支店で発生した事件や元行員の不祥事を受け、会見で謝罪した陣内芳博頭取=福岡市博多区のさぎん福岡ビル内の福岡本部

 佐賀銀行の福岡市内の2支店が窃盗グループに侵入された事件で、同行は28日、博多区の福岡本部で会見し、内部調査の結果を発表した。現金5430万円が盗まれた支店では深夜に侵入された後、翌朝まで被害に気づかなかったことが判明した。事件に関与したとされる当時の行員が、顧客から預かった現金を流用するなど別の不祥事を繰り返していたことも分かった。

 同行によると、昨年10月6日午後10時半すぎ、干隈支店(福岡市城南区)で現金が盗まれた際、警備システムが解除されたため警備員が支店に電話をすると、電話を受けた男が、実在する行員を名乗って「書類を忘れて入店した」と説明したという。その後も警報システムが再開せず、警備員が支店に出向いて中を巡回したものの異常を確認できず、翌朝に出勤してきた行員が被害を把握した。

 8月の箱崎支店(福岡市東区)への侵入を含め二つの事件に関わったとして窃盗などの罪で起訴された元行員の吉田淳被告(42)は、干隈支店での事件の約30分前、行員寮で支店の鍵や警備カードを盗んだとされる。警備員に男が電話で名乗ったのは、鍵を盗まれた行員の名前だった。

 干隈支店での事件後に同行は内部調査を実施し、吉田被告が2015~16年、顧客から定期預金や投資信託として預かった計1300万円を流用していたことを把握、業務上横領の疑いで福岡県警に通報した。

 このほか、顧客のカードローンなどで計350万円を借り入れたり、就業規則で禁止されている外国為替証拠金取引(FX取引)への投資勧誘をしたりした不祥事も判明した。同行は10年ほど前から吉田被告の借り入れ金が増えているのを本人の申告で把握し、注意を促していたという。

 陣内芳博頭取らが事件について初めて会見に臨み、謝罪した。頭取自身の5%の減俸(4カ月)を含め、計23人を処分したことを説明した。吉田被告は昨年11月、懲戒解雇されている。

 陣内頭取は「高い倫理観と信用が求められる金融機関として事態を招いたことを深くおわびする。再発防止策を実施し、信頼回復に向けて全力を挙げる」と述べた。

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