388人が参加し、不安や疑問が噴出した県民説明会=伊万里市民会館

 九州電力玄海原発3、4号機(東松浦郡玄海町)の再稼働に関する県内4カ所目の県民説明会(佐賀県主催)が28日、伊万里市民会館であった。周辺市町の住民らを含め388人が参加、安全性などへの疑問点を質問した。地元の塚部芳和市長は「参加者の不安や疑問に国や九電は答えていない。再稼働に反対の立場は変わらない」と述べた。

 原子力規制庁と資源エネルギー庁、内閣府、九電の担当者が防災の取り組みや国のエネルギー政策などを説明した。会場からは福島原発事故の収束や原因究明が終わらない状態で「なぜ再稼働を急ぐのか」「避難訓練が必要なほどのリスクの中で進める理由が分からない」と批判の声や、「再稼働ありきで検討が進んでいる」と不信感も漏れた。

 このほか、使用済み核燃料の保管の問題や、テロなどでの航空機落下事故の際の安全対策への疑問が出た。

 伊万里市のほぼ全域は原発から半径30キロ圏内にあり、緊急時防護措置準備区域(UPZ)にあたる。塚部市長は、国が再稼働の必要性についてエネルギーの安定供給に終始したことに触れ、「原発の安全安心とエネルギー問題は同列で論じられない。不安への回答になっていない」と指摘した。その上で会場から再稼働への疑念を示す意見ばかりが出されたことを挙げ「県がどのような判断を下すか、注目したい」と話した。

■4カ所目、最多388人参加 市長「市民の関心、不安表れ」

 首長が再稼働反対を主張する伊万里市の会場で開かれた4回目の県民説明会。これまでの最多となる388人(県発表)の参加に、塚部芳和市長は「市民の原発に対する関心の高さと不安への思いの表れだ」と強調した。

 唐津市と武雄市の参加者が少なかったため、伊万里市には市民から「市が周知すべきだ」と意見が寄せられた。市は24日、各公民館長に対して区長に住民への周知を促すよう呼び掛ける文書を発送。その効果もあったのか、会場には行政関係者や区長以外に一般住民の姿も目立ち、住民ならではの「命の訴え」が相次いだ。

 70代女性は「既成事実のための説明会という印象」と切り捨てた上で、「みんな本当に反対しているのだと分かった。市長はあくまで反対を貫き通してほしい」と求めた。

 一方、70代男性は「反原発団体の関係者の殺気だった質問と怒号が目立ち、あんな雰囲気の中でごく普通の市民は質問できない」と違和感を訴え、「公民館で開かれるなら、もう一度聞きたい」と期待を寄せた。

 説明会を巡って伊万里市と市議会は2月17日、県に市内全地区の公民館(13カ所)での開催を申し入れ、「まず伊万里での県民説明会の様子を見て、改めて協議したい」と県の回答を得ていた。終了後、塚部市長は「県がどう判断するかだが、聞き入れられなければ市議会と相談する」と地区別での実施を求めていく姿勢を示した。

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