安倍晋三首相は、東京都議選応援で「自衛隊としてもお願いしたい」と発言し、撤回した稲田朋美防衛相に継続して職務に当たるよう指示した。菅義偉官房長官が28日の記者会見で明らかにした。民進、共産、自由、社民の野党4党首は同日、首相に罷免を要求する声明を発表。菅氏は拒否した。4党首は首相の任命責任を問うため、予算委員会の閉会中審査と臨時国会の召集も求めた。4党首によるこうした声明は異例で、7月2日投開票の都議選に向けて与野党の攻防が激化した。 

 首相は28日夕の都議選の応援演説で、自身の国会対応に触れ「厳しいおしかりを頂き、党総裁としておわびしたい」と述べた。稲田氏への直接の言及はなかった。

 稲田氏は28日、防衛省で公務に当たった。退庁時、記者団から辞任について問われ「27日に申し上げた通りだ」と述べ、重ねて否定した。菅氏は会見で「誤解を招くような発言をすべきではない」と指摘したものの、進退については「閣僚として説明責任を果たし、今後とも誠実に職務に当たってほしい」と述べた。夏以降に予定される内閣改造などへの影響も否定した。27日夜に稲田氏から電話で報告を受け、速やかに撤回するよう指示したと明かした。

 民進党の蓮舫代表と共産党の志位和夫委員長ら4党首は声明で「公職選挙法と自衛隊法に違反する発言で、看過できない」などとして、首相に稲田氏を直ちに罷免するよう要求した。4野党は28日の国対委員長らによる会談でも、こうした方針を確認。臨時国会召集を首相に促すよう大島理森衆院議長に29日に要請することで一致した。

 蓮舫氏は党本部で記者団に「憲法、公選法、自衛隊法にも違反している。撤回して終わりという話ではない」と批判。志位氏は「稲田氏は閣僚の資質を問われる言動を繰り返してきた。本人は辞任しないと言っており、首相が罷免するしかない」と強調した。

 稲田氏は27日、都議選の自民党候補を応援する集会で「防衛省・自衛隊、防衛相、自民党としてもお願いしたい」と発言。自衛隊の政治利用だと批判され、撤回した。

 23日告示の都議選で首相が応援に入るのは、26日に続いて2回目。【共同】

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