■九州・沖縄初の5割超

 信用調査会社の帝国データバンクが実施した九州・沖縄企業の賃金動向調査によると、2017年度に賃上げを見込んでいる企業は52.4%で、06年の調査開始以来、初めて半数を上回った。賃上げの理由は「労働力の定着・確保」が約8割を占め、企業の人手不足感が改めて鮮明になった。佐賀県内は47.9%の企業が賃上げを予定している。

 1月に1973社を対象に賃上げの見通しを尋ね、731社(佐賀県は48社)から回答があった。賃上げはベースアップ(ベア)と賞与(一時金)とし、勤続年数などに応じて賃金が増える定期昇給は除いた。

 それによると、九州・沖縄全体で正社員の賃上げが「ある」と答えた企業は前年比8.3ポイント増の52.4%で、「ない」の21.9%(3.8ポイント減)を大きく上回った。「ある」が「ない」を上回ったのは5年連続で、その差は30.5ポイントと過去最大を更新した。

 業界別では、運輸・倉庫の63.6%が賃上げが「ある」と回答。不動産(56.0%)、卸売(54.7%)、サービス(54.4%)と続いた。賃上げの内容は、ベアが7.9ポイント増の43.0%、賞与は2.9ポイント増の28.6%で、ベアの比率は全国平均よりも2.7ポイント高かった。

 賃上げが「ある」とした企業を従業員別にみると、「21~50人」が60.4%に上ったのをはじめ、「6~20人」「51~100人」で5割を超えた。一方、「301~千人」は2割台にとどまり、中小企業で意欲的な姿勢が目立った。

 賃上げ理由(複数回答)は「労働力の定着・確保」が78.6%を占め、「自社の業績拡大」(46.5%)「同業他社の動向」(23.8%)が続いた。総人件費が16年度に比べて「増える」とした企業は67.9%で、「減る」の7.8%を大きく上回った。

 佐賀県内で賃上げを見込む企業は前年比9.4ポイント増の47.9%。賃上げが「ない」は19.8ポイント減の16.7%にとどまったものの、「価格競争が厳しく、人件費の増加分を製品価格に転嫁できない」(電気機械製造)と原資の確保に苦慮する声もあった。

 帝国データバンク福岡支店は「景況感を反映して賃金動向は改善傾向にあるが、業績拡大を理由に挙げる企業は4年連続で減少している」と指摘。人手不足が長期化する中、「業績改善を前提としない賃上げは限界に近づいている」と話している。

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