大人やお年寄りから伝統芸能「災払」の演目の手ほどきを受ける子どもたち=基山町の仁蓮寺地区

大人やお年寄りから伝統芸能「災払」の演目の手ほどきを受ける子どもたち=基山町の仁蓮寺地区

御神幸祭で奉納される災払=基山町宮浦

御神幸祭で奉納される災払=基山町宮浦

■23日に御神幸祭

 「えい!」「やぁ!」―。紅白の衣装に身を包んだ子どもたちが、5尺(約150センチ)のカシの木の棒を旋回させ、次々と技を繰り出す。身のこなしは軽く、赤いかつらも相まって子鬼をほうふつとさせる。御神幸祭の伝統芸能で先陣を切るのが、「災払(さいばらい)」と呼ばれる棒術だ。

 奉納するのは、仁蓮寺地区の小学生から中学生までの少年10人と青年8人で、道案内や道中での悪魔払いを担う。基本的に2人一組で行い、先手、後手に分かれる。小刻みなすり足で静かに間合いを詰めたかと思うと一転、果敢に棒を打ち合わせる。後手が返し技で勝つものが多く、体のひねりや跳躍などを交えた軽業もある。

 小笠原流の流れをくむとされ、以前は口伝のみだったが、1938(昭和13)年に各技の手順などを書き記した資料があり、それに基づいて修練を積んでいる。

 技は「場広め」「先杖(さげづえ)」など全部で48手の裏表、96通りあると言われているが、現在再現できているのは30数種類にとどまっている。

 練習には園児から中学生までの男子が集まり、大先輩であるお年寄りたちに手ほどきを受ける。昨年まで小頭と呼ばれる責任者を務めた坂口久則さん(65)は「普段は付き合いがなくても、これがあるから世代を超えて地域が一つになる」と存在の大きさを語る。

 少年組最後の年を迎えた木原悠一郎君(14)と木原泰智君(15)=いずれも中学3年=は「2人の息を合わせるのが大事。幼稚園からやっているので、ちゃんと決めて終止符を打ちたい」と意気込む。

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 23日に開かれる荒穂神社の秋の大祭「御神幸祭」を前に、長年に渡り町民が受け継いできた伝統芸能の魅力と当事者の思いを紹介します。

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