バルコニーで愛を誓うジュリエット・木下晴香(左)と、ロミオ・大野拓朗

 鳥栖市出身の木下晴香(18)がジュリエットを演じるミュージカル「ロミオ&ジュリエット」(R&J)が、大阪・梅田芸術劇場で上演されている。1カ月の東京公演(1月15日初日)を経て、表現を深化させる木下。一途な愛へ突き進む少女を体当たりで演じる。

 「R&J」は、2001年にパリで初演(ジェラール・プレスギュルヴィック作詞・作曲)されたフレンチ・ミュージカル。宝塚歌劇団の演出家小池修一郎による潤色・演出で、2010年に宝塚版、11年に男女混合版として生まれ変わった。木下が出演しているのは、男女混合版として2回目の再演となる。

 全体の印象は、若さがはち切れんばかりの青春群像だ。その中で木下は、まだ18歳の透明感あふれる存在感で、まるであてがきされたような、初々しいジュリエットを演じる。大野拓朗演じるロミオのフレッシュさと相まって、デュエットシーンは青春そのもの。2人の胸の高鳴りが客席に伝播(でんぱ)していくようだ。

 舞台で歌われるのは、ロックテイストで難しい展開のある曲も多い。木下が1曲歌い始めるまで密かに緊張していたが、歌声が響くとそんな心配を吹き飛ばした。小池に歌で選ばれたという通りに、伸びのある高音など心地よい歌声で、ロミオとのハーモニーに愛を乗せる。これまでの観客の評判も上々だ。

 「動きとセリフに感情を込められるようになった」と木下。初の大舞台にも堂々とした演技ぶりを見せる。命を絶ったロミオを前に、期待から悲しみへの心情を歌で表すラストは、難しい1人芝居を演じきった。「2人の懸命さを精いっぱい演じたい」と気持ちを込める。

 戦争で廃虚になった近未来の街を舞台に、対立する両家に翻弄(ほんろう)される若者の悲哀と、忍び寄る死。小池はテロにおびえる現代に重ね「勢力と勢力が争いを止めるには、どれほどの死が必要なのだろう?」と投げかける。

 必死に大舞台のプレッシャーに負けず、演じ上げる木下。「最後の最後まで役を突き詰め、やり切ったと思えるぐらいやり切りたい」と、最終日まで全力で演じる。

 ▽「R&J」は5日まで、大阪市の梅田芸術劇場で。木下の出演は4日まで。チケットは残り少ない。当日券は前日に問い合わせを。梅田芸術劇場、電話06(6377)3800まで(午前10時から午後6時)。

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