■飛散、流出対策や責任明確化

 毒物や劇物を保有している佐賀県の試験研究機関や県立学校など93機関のうち、60・2%に当たる56機関で国の通知で策定が求められている「危害防止規定」が未整備だったことが、県監査委員の行政監査で分かった。法律で定められている飛散、流出防止のための措置を行っていないケースも見られ、県監査委員は法令などに従った適切な管理を求めた。

 県の全233機関のうち、毒物、劇物を保有しているのは93機関あり、保有品目や長期間未使用の品目、購入金額が多い10機関では実地監査も行った。主に保有しているのは、毒物が水銀、アジ化ナトリウム、黄リンで、劇物は水酸化ナトリウム、硫酸、メタノール、アンモニア、塩酸などがあった。

 毒劇物取締法では、飛散、流出防止のために必要な措置を講じることを定めており、保管庫の転倒防止策などが必要になる。転倒防止策などをしていない機関は33・3%に当たる31機関だった。

 国の通知では毒劇物の管理・責任体制や事故の際の措置を定めた「危害防止規定」の策定や、管理・責任体制の明確化を求めているが、56機関で「危害防止協定」がなく、17機関で管理責任者を置いていなかった。

 ほとんどの保管庫に鍵があったものの、鍵がない保管庫が10件(3・7%)あった。実地監査では、毒劇物の保管表示をせず家庭用冷蔵庫に入れていた事例や、薬品庫で毒劇物の表示がなく一般薬品と一緒に保管していた事例もあった。

 5日付で知事や県議会議長、教育長、公安委員長に監査結果報告書を提出、県薬務課は各機関に対し適正な管理と保管記録の作成などを文書で指導した。「不適切な管理の指摘を受け非常に残念。文書で指導したが、今後は適時、保管状況や管理体制など確認したい」としている。

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