「写真館で撮影するのは9年ぶり」とはにかむ女性=佐賀市白山の木下写真館

きちんとした背広姿で撮影に臨む参加者=嬉野市の古川写真館

■待ちわび開店前から列 佐賀市・木下写真館

 佐賀市白山の木下写真館(木下智博社長)で18日、敬老の日にちなんで、70歳以上を対象とした無料撮影会が開かれた。智博さんの父・忠さんの代から続けて39年目。今年も恒例の撮影会を楽しみに多くの男女が訪れ、記念の1枚に収まっていた。

 創業者の父・忠次さんを早くに亡くした忠さんは、「親孝行できなかった代わりに」と、地域の高齢者への奉仕活動として無料撮影会を始めた。以来、毎年100人ほどが撮影に訪れるようになり、撮影者数は延べ約3900人に上るという。

 待ちわびた人々が開店前から行列をつくり、スタジオでカメラを向けられると笑顔を見せた。夫婦で訪れた佐賀市の女性(75)は、「写真館で撮ってもらうのは9年ぶり。照れくさかった」とはにかんだ。

 写真はLサイズ(13×9センチ)に現像して贈る。木下社長(49)は、「『しわは消して』とお願いされることもあるが、あえてありのままを撮って贈っている。その年齢にしかない美しさ、かっこよさを写真で引き出したい」と話す。

■会話で緊張ほぐして 嬉野市・古川写真館

 敬老の日に合わせたお年寄りの無料撮影会が18日、嬉野市の古川写真館であった。参加者はそれぞれ緊張した面持ちで、自らの人生を写す「とっておきの一枚」に臨んだ。

 同写真館の古川嘉彦さん(62)が毎年実施しており、12回目。先着10人で70歳以上を募集した。

 古川さんは、背広姿などの一張羅で訪れた参加者と会話を交わし、緊張をほぐしながらシャッターを切った。米寿の記念にと市内から訪れた下田春好さん(87)は「緊張したが、運転免許更新の時などでおなじみの写真館だから少しはほぐれた。仕上がりが楽しみ」と笑みをこぼしていた。

 古川さんは「2~3週間後、仕上がりを見せた時のお客さんの喜ぶ顔で報われる」と顔をほころばせつつ、「遺影に使う写真の複写なども受け付けているが、それではやはり画質が荒れてしまい、『最後の一枚』がこれかとすごく残念に感じる。こういう機会にちゃんとした形で残しておいてほしい」と話していた。

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