国土交通省は24日、首都直下地震に備え、東京五輪・パラリンピックが開かれる2020年までに取り組む対策の工程表をまとめた。19年度中に東京都心の高速道路の耐震補強や、競技場周辺の無電柱化を完了させる。地方からの観戦者を含めた帰宅困難者対策を1日30万人以上が利用する主要駅で推進。外国人旅行者を羽田空港に送り届けるため、水上バスを活用するなど避難誘導策も盛り込んだ。

 五輪・パラリンピックの期間中には、各会場に海外や国内から計約1千万人の来場が予想されている。国交省は、東京都と連携してハードとソフトの両面で対策を加速し、首都の安全性をアピールしたい考えだ。

 交通インフラの耐震化では、東京外郭環状道路(外環道)の内側にある高速道路を対象に、高架橋の橋脚を鋼板で補強する工事を実施。利用者が1日1万人以上の鉄道路線は17年度までに高架橋やトンネル支柱の耐震化を完了させる。

 東日本大震災で倒れた電柱が緊急車両の通行を妨げた教訓を踏まえ、首都高速道路の内側にある国道や一部の都道で電柱を撤去し、電線を地下に埋設する。

 帰宅困難者対策では、主要駅を対象に、鉄道会社などに一時避難施設の整備や訓練の計画作成を促す。駅構内での飲料水や食料の備蓄も進める。地下街に関しては、18年度までに避難路確保や施設改修といった防災計画の作成完了を目指す。

 訪日客対策では、災害時の交通情報や外国人向けの支援内容を複数の言語で紹介するウェブサイトを開設。20年度までに都内の交通案内の看板などにピクトグラム(絵文字)を普及させる。

 小池百合子東京都知事は24日、石井啓一国交相と省内で会談し、大会期間中の競技会場への円滑な輸送や、鉄道や道路などのバリアフリー化の推進を要請。石井氏は「バリアフリーの水準引き上げを、大会のレガシー(遺産)にしたい」と前向きに応じた。【共同】

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