2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて工事が進む有明アリーナの建設予定地(手前)。右奥は豊洲市場=24日午後、東京都江東区(共同通信社ヘリから)

 2020年東京パラリンピックの開幕まで25日であと3年。1964年に続き史上初めて同一都市で2度目の大会を迎える。近年、五輪との両輪として捉えられ注目を集めるが、競技の人気や各種施設のバリアフリー化など課題は多い。スポーツ庁の鈴木大地長官は24日、「われわれも一丸となって協力したい」と語り、国を挙げての準備が加速する。

 企業による支援の動きが広がる中、ボッチャやゴールボールといったなじみの薄い競技では体験会を行うなどPR活動は盛んになった。ただパラ競技全体として、鈴木長官は「観戦したことがある人は少ない」とみており、人気の面ではいまひとつだ。

 7月にロンドンで行われたパラ陸上の世界選手権では1日平均2万人以上の集客を達成。12年ロンドン・パラリンピックのレガシー(遺産)として、障害者スポーツの地位確立を印象づけた。一方で6月に東京都内で行われたパラ陸上の日本選手権の観客数は2日合計で2900人にとどまった。過去3度パラリンピックに出場した陸上の山本篤選手(スズキ浜松AC)は危機感を抱き「どうすれば観客を呼べるか、知恵を出す必要がある」と呼び掛ける。

 東京大会で実施される22競技の種目は9月4日の国際パラリンピック委員会(IPC)理事会で決まる予定。日本は昨年のリオデジャネイロ大会で金メダルゼロに終わった結果を踏まえ、競技団体や選手が巻き返しを図る。【共同】

■暑さ対策も重要に

 2020年東京パラリンピックでは暑さ対策も大きな課題だ。地面に近い車いすの体感温度は高く、発汗や体温調節が難しい症状がある選手もいる。同時期に国内で開催されている大会では給水所に大量の氷を用意し、木陰で待機してもらうなどの工夫をしている。

 8月下旬の北海道マラソンと合同開催している「はまなす車いすマラソン」は、北海道マラソンより早い午前8時半にスタートする。選手には直射日光に当たらないよう近くの公園の木陰で待機してもらい、スタート地点での整列時間も短縮する。

 選手はドリンクボトルを携帯して走るが、大量の氷を用意する給水所で頭や背中から冷水をかけて体を冷やす。実行委員会の担当者は「体温調節がうまくいかない人もいるし、アスファルトの照り返しも強い」と熱中症対策の重要性を強調する。

 さらに一般アスリートと違うのは、低い姿勢に伴う体感温度だ。晴天時は地面に近いほど気温が高くなり、東京都心では150センチと50センチの高さでは3度程度違うとのデータもある。

 日本パラ陸上競技連盟によると、自律神経の障害で発汗しにくい場合、送風機などで皮膚の温度を下げる。腕や脚を切断している人も汗をかく表面積が減少しているため体温が上がりやすく、注意が必要という。【共同】

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