メダルラッシュにわいたリオ五輪が閉会して1週間経つが、興奮が冷めない「五輪ロス」という言葉があるらしい。これと無縁なのは地元球団がプロ野球で25年ぶりのリーグ制覇を目指す広島だ。優勝マジックの点灯でさらに盛り上がっている◆サッカーのサガン鳥栖が誕生したばかりの頃、関係者が市民球団の理想と語っていたのが広島東洋カープだった。お金で有名選手を集めるのでなく、自分たちが育てた選手で優勝を目指す。選手もチーム愛が強く、メジャーや他球団で活躍した黒田博樹投手と新井貴浩選手が「野球人生の最後はカープに恩返しを」と昨年戻ってきた◆チームを率いるのは鳥栖高出身の緒方孝市監督。25年前の優勝時は走攻守の三拍子に加え、イケメン選手として人気があったが、今は元気な若手を束ねる兄貴分的な監督だ。緒方さんを育てた高校野球名監督の故平野國隆さんも天国から頼もしそうに見つめていると思う◆このまま勝ち進めば、緒方さんは同じ鳥栖高出身の権藤博さん(横浜)以来、18年ぶりに県出身の優勝監督となる。今、サガン鳥栖も第2ステージで優勝を狙える3位につける。鳥栖の縁で快挙を見せてほしい◆25年の間に九州新幹線が完成し、広島と鳥栖は1時間半で行き来できるようになった。凱旋(がいせん)の日を想像するのは気が早すぎるだろうか。(日)

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