記者会見する熊本大の中尾光善教授=2月24日、熊本市

 ヒトの細胞増殖を調整する酵素「SETD8」に老化を防ぐ役割もあることを、熊本大の研究チームが実験で確認し、1日付の米科学誌電子版に発表した。チームをまとめる中尾光善教授(細胞医学)は「この酵素の研究を深め、老化のメカニズムを解明したい」としている。

 SETD8は、細胞がまだ若いうちは、働きを強めたり弱めたりして増殖を手助けする。研究チームは、老化したヒトの細胞で、この酵素が著しく減って機能が失われた状態になることを確認した。

 また、ヒトの若い細胞でSETD8の働きを薬剤で抑えると(1)細胞の増殖が止まる(2)エネルギーの代謝を上げるタンパク質が増える-といった老化した細胞に特有の現象が生じた。こうした結果から、細胞の増殖を助けるこの酵素に、老化防止機能があると結論付けた。

 中尾教授は「加齢に伴う生活習慣病リスクを減らしたり、高齢者の健康促進に貢献したりできればいい」としており、今後はSETD8の活用方法も研究する方針。【共同】

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