炎を登り窯に入れる窯元関係者=伊万里市大川内山の鍋島藩窯公園

 江戸時代に鍋島藩の御用窯が置かれ、将軍家や諸大名への献上品を焼いていた伊万里市の大川内山で27日、当時を再現する「献上登り窯焚(た)き」があった。今年は山口祥義県知事とオランダ大使館に瓶子(へいし)(酒器)を贈る。

 神事の後、白装束をまとった窯元の若者2人が、まいぎり式と呼ばれる古典的手法で火だねを作った。前日の雨の影響で炎が上がるまで約15分を要したが、無事に窯に火が入れられると、見守る関係者はほっとした表情を浮かべた。

 窯には山口知事への「色鍋島外濃牡丹花散(いろなべしまそとだみぼたんはなちら)し瓶子」と、オランダ大使館への「間取吉祥(まどりきっしょう)チューリップ唐花文(からはなもん)瓶子」のほか、6窯元の作品2千点以上が入っている。窯出しは9月3日の予定。

 窯元でつくる伊万里鍋島焼協同組合(畑石眞二理事長)が「鍋島藩窯秋まつり」を盛り上げるイベントとして1989年から、「鍋島献上の儀」として九州各県の知事や城のある自治体などに贈ってきた。米国や韓国、中国の領事館などへの献上はあるが、欧州は今回が初めてとなる。

 オランダは、17世紀の有田焼輸出に深く関わり、有田焼400年事業でも共同プロジェクトを行うなど縁は深い。畑石理事長は「献上がオランダと佐賀の新たな架け橋の一つになれば」と話していた。

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