空が高くなる、この季節に引っ張り出す本がある。写真集のような、百科事典のような…。さまざまな空の表情をとらえた『空の名前』(写真・文 高橋健司)という一冊。ユニークな体裁だからか、手に入れたのも書店ではなく、偶然立ち寄った雑貨店だった覚えがある◆例えば、大空にまっすぐ白線を引いたような「飛行機雲」とは別に、「消滅飛行機雲」という聞き慣れない項目も。「飛行機が薄い雲の層の中を飛んだ為に雲が消え、航跡が雲のない筋になったものです。従って、雲とはいえませんが、適当な名前が見当たりません」とほほえましい◆通常の飛行機雲ができる原理は、寒い日に吐く息が白くなるのと同じ。高度1万メートルの上空はマイナス40度以下。そこへ、飛行機のエンジンから熱い排気ガスが吐き出されると、水分が凍って雲になる。だから、よく見ると飛行機のエンジンの数によって、雲の筋は4本や2本と違うのだとか◆秋の代表格「鰯(いわし)雲」は「この雲が現れると鰯が大漁になるといわれます。漁に夢中になっていて、嵐に巻き込まれた船もあったそうです」。その名前に食欲をそそられるのは私だけではないようで、こんな句を見つけた。〈ふるさとのおむすび山や鰯雲〉桜井彦大◆きょうは、東京・代々木の上空を国内で初めて飛行機が飛んだ「空の日」である。(史)

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