横須賀市沖を航行する海上自衛隊の護衛艦「いずも」(手前)。奥は停泊中の米海軍補給艦。両艦は午後、房総半島沖で合流した=1日午前10時43分(共同通信社ヘリから)

■北朝鮮にらみ一体化加速懸念も

 海上自衛隊のヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」は1日午後、房総半島沖で米海軍の補給艦と合流し、安全保障関連法に基づき米軍の艦艇を守る「武器等防護」を実施した。自衛隊が安保関連法の新任務に当たるのは初。緊迫する北朝鮮情勢をにらみ、日米の連携強化をアピールする狙いがある。

 憲法違反との指摘もあった安保法施行から1年余り。自衛隊が日本海に入った原子力空母カール・ビンソンと訓練し、米艦防護にも取り組むなど、加速する一体化への懸念もある。

 海自最大の艦艇いずもは1日午前、横須賀基地を出港した。合流した米補給艦の周辺を警戒監視するなど防護し、2日ほどかけて太平洋を四国沖まで航行。その後、米補給艦と別れ、今月15日のシンガポール海軍主催の国際観艦式に参加する。

 一方、米補給艦は北朝鮮の弾道ミサイル発射に備えて日本付近に展開中の米艦船や、カール・ビンソン周辺の船に燃料補給する可能性がある。

 岸田文雄外相は1日、訪問先のトルクメニスタンで、米艦防護に関して「日米同盟の抑止力、対応力が強固であることを示すという意味で大変有意義だ」と述べた。

 カール・ビンソンは4月23日からフィリピン海で海自と共同訓練を開始。同29日に長崎県沖の日本海に入るまで、陣形を整える動きや通信訓練を繰り返した。空自のF15戦闘機も空母艦載機と戦闘訓練を実施した。

 昨年3月末に施行された安保法を巡っては同11月、南スーダン国連平和維持活動(PKO)の陸上自衛隊部隊に「駆け付け警護」が付与されたが、実行されていない。

 武器等防護は、自衛隊が弾薬や艦船を守る任務。安保法で対象を米軍などの他国軍に拡大した。平時や、特定の国からの武力行使に至らないグレーゾーン事態の下で「日本の防衛に資する活動」に当たる他国軍が対象となり、主に米軍艦船の防護を想定している。

 安保法は従来の憲法解釈を変えて集団的自衛権の行使を可能とした。違憲との批判が相次ぎ、各地で訴訟も起きている。【共同】

このエントリーをはてなブックマークに追加