ふるさとスケッチ

 日中の残暑はまだまだ厳しい。それでも、空の色、風の音、日差しや影、そして身辺起居の間などにずいぶんと秋の気配を感じる。

 重陽の節句を過ぎた日曜日、吉野ケ里歴史公園を訪れた。地域の子どもたちが植えた「赤米」の水田を見るためである。この「赤米」は「ベニロマン」「つくし赤もち」などの品種だそうで、こうべを垂れ赤く色づいている田んぼは、弥生時代の水田風景を想像させてくれる。来月8日には収穫イベントが開かれるという。

 コスモスが揺れる「いなほのみち」から、色づく水田と、復元された物見やぐらなどの弥生の建物群をスケッチする。広い空、樹木の緑と防御柵の白い杭の列が、いいリズムで並んでいる。彼岸花もちらほら咲いているようだ。心地よい歴史ロマンの風が頬をなでていく。(山田直行・佐賀女子短期大学名誉教授)

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