法務省は全国の市区町村が扱う戸籍事務にマイナンバー制度を導入する方針を固め、上川陽子法相が19日、法制審議会(法相の諮問機関)に戸籍法改正を諮問した。パスポートの申請や婚姻届の提出などの際、マイナンバーを示せば戸籍証明書(戸籍謄本や戸籍抄本)の添付を不要とするもので、上川法相は法制審総会で「国民の利便性向上と戸籍事務の運営効率化の観点から検討をお願いしたい」と述べた。法務省は法制審の審議を経て、2019年の通常国会で法改正したい考えだ。

 戸籍事務への導入は、マイナンバー制度の設計段階から検討されていた。全国知事会も導入を求め、政府は15年6月決定の成長戦略や17年6月決定の骨太方針などで、戸籍事務など公共性の高い分野へのマイナンバー活用を進め、法制上の措置を講じるとしていた。

 現行制度では、例えばパスポートを新規に申請する場合、本籍地のある市区町村から戸籍証明書を取得する必要があり、本籍地から離れた場所に住んでいると、証明書の郵送に4~7日かかる。マイナンバーが使えるようになると、提示だけで済み、婚姻届の提出や児童扶養手当の請求手続きなどでも同様に簡素化されるとしている。

 法務省は二つの有識者会議を設け、事務手続きやシステム上の問題点を議論していたが、戸籍の正本は、各自治体が独立管理していて連携が難しいと判断。

 そこで災害に備え、全国2カ所に集約している戸籍の副本情報を管理する法務省のシステムとマイナンバーを連携させることを提案した。連携のための新たなシステムを構築し、自治体がアクセスできるような仕組みを検討している。

 戸籍は高度な個人情報のため、有識者会議は、新たなシステムでの情報流出や不正利用の防止策の必要性にも言及。「戸籍情報を暗号化して保存し、アクセス許可の認証は厳格にする必要がある。第三者が監視、確認する仕組みとすることも考えられる」とした。【共同】

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